Rubyのデータ型

Rubyは動的型付け言語であり、変数の型を宣言する必要はありません。値そのものが型情報を持っています。ここでは、Rubyの主要なデータ型について解説します。

数値 (Numeric)

Rubyの数値型には、整数 (Integer) と浮動小数点数 (Float) があります。

整数 (Integer)

a = 10
b = -5
c = 1_000_000 # アンダースコアは無視される

浮動小数点数 (Float)

x = 3.14
y = -0.5
z = 1.2e3 # 指数表現

文字列 (String)

文字列は、"" (ダブルクォート) または '' (シングルクォート) で囲みます。

ダブルクォートとシングルクォートの違い

ダブルクォートで囲んだ文字列では、式展開 (#{...}) とバックスラッシュ記法 (\n, \tなど) が使えます。

name = "Alice"
puts "Hello, #{name}!" #=> Hello, Alice!
puts "Hello\nWorld"
#=> Hello
#=> World

シングルクォートでは、これらは無効になります。

name = "Alice"
puts 'Hello, #{name}!' #=> Hello, #{name}!
puts 'Hello\nWorld'   #=> Hello\nWorld

配列 (Array)

複数のオブジェクトを順序付きで格納するコレクションです。

fruits = ["apple", "banana", "cherry"]
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
mixed = [1, "apple", true]

puts fruits[0] #=> "apple"
puts numbers.last #=> 5

fruits << "orange" # 要素の追加
puts fruits # ["apple", "banana", "cherry", "orange"]

ハッシュ (Hash)

キーと値のペアでデータを格納するコレクションです。キーには通常、シンボルが使われます。

シンボルをキーにする場合 (推奨)

user = { name: "Bob", age: 25, email: "bob@example.com" }

puts user[:name] #=> "Bob"

これは以下の古い記法と同じ意味です。

user = { :name => "Bob", :age => 25, :email => "bob@example.com" }

文字列をキーにする場合

config = { "host" => "localhost", "port" => 3000 }

puts config["host"] #=> "localhost"

シンボル (Symbol)

シンボルは、:で始まる識別子です。文字列と似ていますが、内部的には整数として扱われ、同じシンボルは常に同じオブジェクトを指します。そのため、ハッシュのキーなど、識別子として使う場合に効率的です。

:name
:success
:error_message

puts :name.object_id
puts :name.object_id #=> 同じIDが表示される

puts "name".object_id
puts "name".object_id #=> 異なるIDが表示される

真偽値 (true, false) と nil

• true: 真を表すオブジェクト
• false: 偽を表すオブジェクト
• nil: 何も存在しないことを表すオブジェクト

Rubyでは、falseとnilのみが偽として扱われ、それ以外のすべてのオブジェクト（0や空文字列""も含む）は真として扱われます。

まとめ

Rubyの基本的なデータ型を理解することは、プログラミングの基礎となります。それぞれのデータ型の特性を活かして、適切に使い分けることが重要です.